「人間関係がうまくいく人」の意外な距離の取り方 自己肯定感が高い人は相手に感情移入しない

2022.09.06

多くの講演や著書を通し、

自己肯定感の重要性を説いている

心理カウンセラーの中島輝氏。

 

「無用な敵やストレスを作らず、自分らしい人生を楽しむためには、

自己肯定感の底上げが必要」だと言います。

著書『うまくいっている人がしている 自己肯定感を味方にするレッスン』の中から、

自己肯定感の高い人の意識の持ち方について解説します。

相手に感情移入するのではなく、眺める

同僚に「あの取引先にはもっと積極的な提案が必要なんじゃないか」と

助言したら、「上から目線で偉そう」と思われてしまった……。

このように、よかれと思ってアドバイスしたはずが、

逆に嫌われてしまった経験はありませんか。

 

原因は、相手との「距離感」をうまく保てないことにあります。

適度な距離感を保てない人の特徴として挙げられるのは、

相手に「感情移入」をしてしまいがちなことです。

 

感情移入しすぎると、相手の問題が自分の問題のように思えてきます。

知らず知らずのうちに、「もっとこうしたらいいのに」と

相手をコントロールしてしまいたくなってしまうのです。

 

自己肯定感の高い人は、相手と距離を保とうとします。

相手の感情に「移入」するのではなく、

「思いをはせる」ようにします。

「思いをはせる」とは、相手の状況や感情を想像して「眺める」こと。

相手がどんな感情を抱いているか、どんな状況なのかをただひたすら眺めます。

 

すると、眺めているうちに、「私には何が手伝えるのか」と

自分がすべきことが見えてきます。

映画を観るように、自分という

心のスクリーンに相手のことを映し出してみましょう。

 

どんなに親しい間柄にも距離は必要です。

まずは、「眺める」ことを心がけてください。

 

相手をありのままに「眺めよう」としたいのに、

どうしても相手が何を考えているのか気になってしまうことがあります。

 

それは、人の心を「深読み」しているから。

「部長は慎重派だから、私の意見に反対するに決まってる」

「課長は陽気で仲間が多いから、寡黙な私のことを嫌っているに違いない」などと、

勝手に思い込んで、勝手に考えすぎてしまうのです。

 

相手を「こういう人だ」と思い込んでしまっているときには、

自分を内側から観察する目が足りていません。

ネガティブな感情が沸き上がったら、自分自身の心も一緒に観察してみましょう。

思い込みをしている自分に気が付くはずです。

 

 

 

 

思い込みは自分で作り上げた価値観とは違う

思い込みを防ぐために、「なぜ人は思い込みをしてしまうのか」を知っておきましょう。

思い込みとは、3つの「ち」から生まれます。

 

1「血」 親や周囲の大人たちからの教え
2「地」 育った国や土地の慣習や価値観
3「知」 世の中の主流とされる思想や社会的な事件を通して(例・コロナ禍でのさまざまな情報)

 

3つの「ち」による思い込みは、自分で作り上げた価値観とは違います。

ですから、自分の本当の思考や感情がゆがみ、違和感が生じてくるのです。

 

思い込みは一つずつ手放していきましょう。

相手を「眺める」ことは、無用な敵を作らないことにもつながります。

ビジネスマンは特に、社内外に敵を作らないよう心がけたいもの。

 

「アイツとは一緒に仕事したくない」と思われたら、噂が広がり、

そのうち周囲の協力まで得られなくなるかもしれません。

自己主張が苦手で周囲から「何を考えているのかわからない」と思われがちな人、

他人の欠点ばかり気になって指摘する人、過去の実績の自慢ばかりしている人などは、

非常に敵を作りやすいタイプです。

 

では、味方の多い人とはどんな人でしょうか。

それは、「一緒にいてラク」と思える人です。

「一緒にいてラクな人」は、物事をポジティブに受け止めるという特徴があります。

 

何らかのトラブルが起こったとき、「あいつのせいでしくじった」と愚痴を言のではなく、

「解決のためには何をすればいいか」「このトラブルから得られるものは何か」を考えられる人です。

 

味方が多い人は、ユーモアのエッセンスを持ち合わせている人が多いです。

周囲を笑顔にする会話や行動も、味方を増やしていく人の魅力のひとつだと言えるでしょう。

 

 

 

 

コンプレックスのいいところを探す

「自分は会話が苦手でユーモアなんて無理」と思った人がいるかもしれません。

会話下手をコンプレックスに感じている人は多いようです。

自己肯定感の高い人は、コンプレックスとの向き合い方も知っています。

 

実は私は、幼少期からずっと肌が白いことがコンプレックスでした。

大人になって、自分の心を「眺めて」みました。

 

すると、父から発せられた「男なのに肌が白いなんて」という、

たった一言が原因だったということに気づきました。

まさに、3つの「ち」のうちの1「血」からの

思い込みによって作られたコンプレックスだったのです。

 

「小麦色の肌のほうが男らしい」と同じように、

社会にはさまざまな思い込みが蔓延しています。

まぶたは二重のほうがいい、太っているより痩せていたほうがいい……。

でもそれは、一体誰が決めた価値観でしょうか。

 

コンプレックスを持っている人は、

日頃の価値観から視点を移して、

自分の心を「眺めて」みましょう。

 

多角的な視点を得るための近道は、

まったく別の考え方を持つ人たちの中に飛び込むことです。

 

例えば、日本人女性が欧米に渡り、「アジアンビューティー」を称賛され、

外見に自信を持ったという話をよく耳にします。同じ悩みを持つ人の本を読む、

コンプレックスを人に話してみる、旅に出るなどの行動を通しても、多角的な視点を得ることができます。

 

視点を変えれば、コンプレックスはコンプレックスでなくなります。

「心配性で優柔不断」な性格は、

「慎重で物事を深く考えられる」とも考えることができる。

 

また、「他人の意見に流されやすい人」は、

「周囲との調和を重んじて柔軟に対応できる人」とも考えられるようになるのです。

 

コンプレックスが気になるときは、

「これがコンプレックスだと誰が決めたのか?」と自分に問いかけてみてください。

「よくない部分」だけでなく、「いいところ」を探して、光を当ててみるのです。

 

 

 

 

周りの「もう年なんだから」は気にしない

「もう30歳だから結婚したほうがいい」

「もう40歳だから家を買ったほうがいい」

「もう50歳だから転職はやめたほうがいい」などと、

年齢による思い込みも可能性を狭めることになります。

 

本来、やりたいことがあれば、何歳であっても挑戦していいはずです。

自己肯定感が高い人は、「社会が何となく決めた年齢の基準」にはとらわれず、

自分が「いい」「好き」と思うものを自由に選んでいます。

年齢の思い込みから解き放たれると、

過去の自分が歩んできた道を肯定できるようになります。

その結果、ますます自己肯定感を高めることができるのです。

 

年齢とは、「懸命に生きてきた年数を確認する」ためのもの。

誕生日はぜひ、自分で自分をとことん褒める日にしてください。

明日からの1年も、ポジティブに歩んでいけるはずです。

 

 

うまくいっている人がしている自己肯定感を味方にするレッスン

中島輝
PHP

「人間関係がうまくいく人」の意外な距離の取り方自己肯定感が高い人は相手に感情移入しない

 

カテゴリ 最新記事

子育て・家事の隙間時間にできる!自律神経を整える3つの方法

ブログを読んでいただいている皆さん、 おはようございます☀️ いつもありがとうございます✨ &nbs...

シンガポール1日目レポート

こんばんは! 飛田です (撮影機材: canon eos kiss x9)       コンラ...

自分を好きになる5つの方法

ブログを読んでくださっているみなさん、 おはようございます☀️ いつもありがとうございます。   ...

心がモヤモヤした時に役立つ5つの解消法

みんないつもありがとう!   心がモヤモヤしている時、 あなたはどのように対処しますか?   今日は心がモヤモ...

コミュニケーション力を高める5つの方法

ブログを読んでくださっているみなさん、 おはようございます☀️ いつもありがとうございます。   ...

心がモヤモヤした時の5つの特徴

みんないつもありがとう!       あなたは、最近心がモヤモヤしていることはありませんか?   ...

人間関係でイライラした時の特徴を5つご紹介!

みんないつもありがとう!        人間関係でついイライラしてしまう方々いませんか?   ...

20代学生に役立つ10のこと

こんにちは、20代の学生の皆さん。       将来に向けて何をするべきか、 迷われたことはありませんか? &...

一歩踏み出す3つの方法

みんないつもありがとう!       みんなにとって、 新しいことに挑戦することは どんな感覚...

モチベーションを高める5つのハック

みなさん、こんばんは。 今日は、仕事に慣れすぎたせいで モチベーションが下がってしまっている方々に向けて、 中島輝が心理カウンセラ...

5つの不安解消法

いつもブログを見てくれているみんなへ。 日々の生活の中で、気分が落ち込んでしまうことは誰でも経験するものです。 しかし、うまく対処することで、気持ちをリセッ...

【嫉妬は自滅に向かう感情】

秋、みなさんはどのような 楽しみ方をしていますか?       中島は昨日、 本(小説、哲学書...

【まず自分を愛すること】

人は自分自身が持っている ものしか他人に与えること はできません。       もっとこの人に...

ブレても平気な「しなやかな自分軸」を持とう

こんにちは。 中島輝です。   あなたは周囲の人に振り回されて 自分を見失っていませんか?     ...

【ダッシュで富士山。 I LOVE MEをする!】

心の叫びに耳を傾けること。 あなたは自分の心に 素直になってますか?       この瞬間の ...

周囲に「振り回される」人の3つのパターン

こんにちは。 中島輝です。     ここ数年、わたしが講座や個別の心理 セッションなどを通じて気になっているこ...

【元フジテレビアナウンサー 河野景子先生の朗読LIVE】

歳を重ねるとは最高に 心がハッピーになること!   自己肯定感アカデミー 認定講師養成プログラムの 特別講師:河野景子先...

感謝の種を数えて生きる。 歩ける、見える、聞こえ、話せる。

おはようございます^^  大切な人にありがとうを伝える日。 2022年の10月も残り3分の2。 一度、足元を見...

【anan増刊号ユーミンの軌跡に 周りと自分をHappy!にする 声がけフレーズ掲載】

松任谷由実:ユーミンさんの 歌で時代を過ごしてきた方、 様々な元気や励ましをもらった 方もたくさんいらっしゃいます よね! &nb...

「あいまいさ」を身につければ強く生きていけます

こんにちは。 中島輝です。       先日お話ししたように、 「あいまいさ」を身につけると、...

【人生の同じ時間は2度とない】

人生は「今ここ」。 一瞬一瞬の選択の繰り返し でできています。 今この瞬間を、 ワクワクした感情、 ポジティブな思考、...

あなたはどこを見て生きているのだろうか?

10月10日までのキャンペーン延長決定!     先日発売の『「知らんがな」の心のつくり方...

【離れて自由になる:人間関係の法則】

  人間は人との繋がり から避けることはできない。     ...

【人生に後悔はない。レッスンがあるだけ。】

10月スタートですね! ワクワクすることを思いっきり 楽しんで行動しましょう。 お天道様はすべての人に、 役割を与えてくれています。...

指5本でできるマインドセット

こんばんは。 中島輝です。 ・片付けても片付けても すぐに散らかす子供達。 ・頭ごなしに叱ってくる上司。 ・態...

ストレスが溜まった時の対処法

こんにちは。   中島輝です。     あなたはストレスが溜まった時、 どのように対処していま...

【自信スイッチ 10歳からはじめるポジティブ習慣39: アマゾンベストセラー1位獲得。感謝!】

「この世は生命あるもので成り立っている。 有形にも無形にもすべてつながりあって 成り立って存在している。 赤ん坊というものは、 ものごとをあるがままに理...

私のハッピーエンドは私が創るもの。 あなたのハッピーエンドとは違うもの。

おはようございます^ ^ 生きるを楽しむ。 人生の特権はあなた自身でいること。 決して他人と比較し...

自己肯定感をアップさせるルーティン

おはようございます。 中島輝です。   あなたは朝のルーティンを作っていますか? 少し前に、モーニングルーティンというのが ...

あなたは他人に振り回されていませんか?

おはようございます! 本日発売 『知らんがな』の心のつくり方。 ...

CATEGORY

人気の記事

幸運を引き寄せる法則について 〜実体験から思うこと〜

コラム

「I'm OK, You're OK」と言えるように【自己肯定感と他者肯定感の関係性について】

コラム

HSPさんは罪悪感に飛びこもう【罪悪感が湧くこと=本心の望み】

コラム

FOLLOW US