色彩コラムvol.4~色で省エネ、色でエコな暮らしを楽しむ~
2019.06.16
「色」にはさまざまな効果があり、室内のインテリアや小物などに
「色」を上手に取り入れる事で、季節ごとに体感温度を調節することが出来ます。
私たちは「色」を視覚だけでなく皮膚でも捉えています。
皮膚というのは実に優れたもので、熱さや冷たさ、痛みなど、
様々なものを感じるだけでなく、皮膚は光も感じ取っています。
紫外線で肌が焼けるのもその一つですね。
光(電磁波)の性質からくる現象の一つが「色」なので、
私たちの肌は色の波長を認識できるわけです。
では「色」を生活に取り入れるためにはどうしたらいいのでしょう。
肌で感じる色の体感温度
暖色系、寒色系で色の心理的温度差は3度あると言われています。
ある実験で、赤い部屋と青い部屋にそれぞれ入ってみたところ、
体感温度は3度違ったという結果が出ています。
好き嫌いに関係なく、暖色系を見ると実際に体温は温まり体感温度も上がります。
逆に、寒色系の色を見たりすると体が寒く感じ自律神経の刺激も少ないため、
体感温度は下がります。
夏にオススメの色は寒色系
寒色系の青には、心身を落ち着かせ高まった感情を抑える効果があります。
見た目も清涼感のある青は体内を整える幸せホルモンの「セロトニン」を分泌し、
脈拍や体温を下げ、精神の安定や不安を解消する働きがあります。
寝苦しい夏の季節は寒色系の寝具を揃えてみてはいかがでしょうか。
鎮静効果のある青は、仕事などでイライラした気持ちを落ち着かせるのに効果的です。
入浴後のリラックスした時間を過ごす寝室などで目にする色は、
寝ている間の精神の働きにも影響があると言われています。
人生の3分の1とも言われる「睡眠」
睡眠の時間を大切にすることが、
残りの3分の2の人生を豊かにするのではないでしょうか。
睡眠の質は人生の質ですね。
冬にオススメの色は暖色系
暖色系の赤やオレンジなどは、活動的な交感神経が優位になり、
アドレナリンを分泌させ、体温血圧などを上昇させます。
足元が冷えやすい冬などの季節は、床に暖色系のカーペットを敷いたり、
ルームソックスなどを履いたりすると暖かさを感じやすいです。
身に着けるものや、視界に入る物を暖色系にすることで、冷え性対策にもなります。
そう考えるとおばあちゃんの原宿と親しまれている、
東京の巣鴨という街で見かける「幸運の赤パンツ」は理にかなっていますね。
おへその下には「丹田」というツボがあり、
このツボを温め刺激することで体は反応し熱を発するようになります。
これは「赤色」の心理的効果と「丹田」の効果は同じと考えられ、
「赤色」はやる気を起こさせ元気になることで血の巡りが良くなるのです。
色で節約効果を期待できる?
私たちは気温が何度以上になったから暑い寒いと感じるのではなく、
湿度や風量、室内の酸素量はもちろんのこと、
色や音といった五感の刺激からも身体に感じる温度は変わってきています。
季節ごとに家具や内装を変えるのは家庭ではなかなか難しいので、
布団カバーやシーツ、ランチョンマットや小物などで、
オシャレに「色」を取り入れて、視覚にうったえやすい使い方をするのが
ポイントではないでしょうか。
「色」は私たちの心を落ち着かせてくれたり、
やる気を出させてくれたりする力があるので、
環境問題がとりざされている今、「色」のチカラを上手に活用することで、
省エネやエコの効果が期待出来るのであればやってみない手はないですね。
writer 成海舞乙(mao narumi)
torie本部講師 成海 舞乙
torie認定 色彩心理メンタルトレーナーを開講出来る、数少ない講師の一人として活動しています。色彩心理学×ライフスタイルで、他人の目を気にせずラクに生き、自分のために生きるきっかけ作りのお手伝いをしています。