色彩コラムvol.7 ~色を食する~
2019.09.16
九月も半ばを過ぎ、ようやく秋の気配を感じられるようになりました。
いよいよ実りの秋、収穫の秋、食欲の秋が到来します。
私たちは、光(太陽)のエネルギーを浴びて育った食べ物を、
身体に取り入れ健康を保っています。
太陽の光を浴びて育った色とりどりのお野菜や果物は、
私たちの身体を元気にしてくれる最強フードです。
色は電磁波(光のエネルギー)であり、光の波長の違いで色を認識しています。
私たちの身体を守ってくれている「食」は、実は「色」と切っても切れない関係なのです。
今日は「色と食」の関係についてお伝えしたいと思います。
3つの色でバランス美人
みなさんは「三色食品群」をご存知ですか?
私たちが普段口にしている食品を、体内の働きや特徴によって
「赤黄緑」の3つの食品グループに分けられたものを三色食品群といいます。
誰しも、栄養のバランスを考えた食事はいいと思っていますよね。
では、具体的にバランスのいい食事とはどのようなものでしょうか?
「三色食品群」の視点から見てみましょう。
◎赤色群
◇体をつくる血や筋肉の元となり、タンパク質を多く含みます
◇食材:肉、魚、卵、牛乳、乳製品。大豆など・・・
◎黄色群
◇エネルギーのもと。炭水化物や脂質を含みます
◇食材:米、パン、麺類、イモ類、油、砂糖など・・・
◎緑色群
◇体の調子を整えるビタミンミネラルが豊富に含まれます
◇食材:野菜、果物、きのこ類・・・
いかがでしょうか?
みなさんはこの三色食品群を取り入れた食生活を送っていますでしょうか
未来の健康を守る和食
三色食品群の3つの色をまんべんなく取り入れた食事が、
バランスの良い食事とされています。
2013年「和食:日本人の伝統的な食文化」が
ユネスコ無形文化遺産に登録されました。
今、「和食」が見直され世界から注目されています。
三色食品群で日本の和食を見てみると、
「主食・主菜・副菜」で分けることができます。
「主食」は黄色群である、「ごはん」
「主菜」は赤色群から「お肉、お魚や卵、豆腐」など
「副菜」は緑色群から「野菜、きのこ」などで区分できます。
あとは汁物や果物などを加えて、足りない栄養素を補えばいいのです。
未来の健康を守る食は「和食」にありですね。
色とホルモンの密接な関係
私たちが認識している色は、ホルモン分泌と深いかかわりがあることが、
脳科学で証明されています。
目から入った光(色)は脳の視床下部まで届きます。
視床下部は神経系や分泌系の調整を一気に引き受ける司令塔です。
色から伝達され刺激されたそれぞれの情報を元に、ホルモンが体内に分泌されるのです。
では、それぞれの色からどのようなホルモンが分泌され、
どのような作用があるのかを見てみましょう
赤の分泌ホルモン:アドレナリン
血行を促進させスタミナが付くのでやる気がアップし、心身をパワーチャージさせます。
黄色の分泌ホルモン:エンドルフィン
主に自律神経に働きを持たせ、バランス能力や鎮痛効果、抗酸化作用、免疫力がアップします。
緑色の分泌ホルモン:アセチルコリン
疲労や損傷した細胞を再生する働きがあるので、ストレス解消やリラックス効果がうまれます。
オレンジの分泌ホルモン:インシュリン、グレリン
元気になり、気分が盛り上がり、食欲も増進します。
ピンクの分泌ホルモン:エストロゲン
女性ホルモンが増加して細胞が活性化し、美肌、美髪などのアンチエイジング効果があります
青色の分泌ホルモン:セロトニン
不安をやわらげ心を落ち着かせてくれます。集中力も高まり思考力が生まれます。
私たちは「こころ」と「からだ」のアンバランスによって不調を感じるのですから、
いかに「今の気分や体調」を自分自身でコントロールしていくか?
色をうまく利用しながら、ホルモンをどう有効活用させるかが
キーポイントになるのではないでしょうか。
色を意識した食事
視覚的心理効果を活用するため、色を意識しながら食事を摂ることをお勧めします。
例えば、「緑の食材を食べている」と意識するだけで、
「緑」の持つ力、リラックス効果や、気分をリフレッシュする効果が期待できます。
また、ダイエットにも有効な色があります。
「青」は食欲減退色なので、「青色ダイエット」ともいわれ、
これをうまく活用することで、食欲を抑制することが可能です。
青色には鎮静効果もあるため、ダイエット中のイライラ感も排除するのに有効な色です。
私たちの身体は驚くほど素直です。
「今日は何色を食べたかな?」または、「今日は何色を食べようかな?」
食べ物の色を意識することで、視覚から栄養を取り入れることも、
無駄なものを排除することも出来るのです。
色からのパワーで「心にも身体にも栄養」をとり、
彩り豊かな毎日を手に入れていきたいですね。
writer 成海舞乙(mao narumi)
torie本部講師 成海 舞乙
torie認定 色彩心理メンタルトレーナーを開講出来る、数少ない講師の一人として活動しています。色彩心理学×ライフスタイルで、他人の目を気にせずラクに生き、自分のために生きるきっかけ作りのお手伝いをしています。